背部（背中の痛み）の原因 | 大田区の内視鏡クリニック3選

背部痛とは
背部痛がある場合の検査
背部痛を起こす主な疾患
苦痛なく内視鏡検査を受けるためのポイント11

背部痛とは

背中から腰にかけてという身体の背面に起こる痛みです。骨や筋肉などが原因で生じる整形外科疾患によって生じることが多いのですが、腎臓や尿路などに原因がある泌尿器疾患、血管系の循環器疾患、そして消化器疾患でも珍しくない症状です。そして、循環器や消化器が原因で背部痛が生じる場合、治療が遅れてしまうと命に関わる危険性のある疾患も存在します。疑わしい症状がある場合、放置しないで速やかに受診し、内臓に原因がないかもしっかり確かめることが重要です。

背部痛がある場合の検査

血液検査

循環器・泌尿器・消化器などに炎症がないかを確かめるために有効な検査です。また、腎臓や膵臓などの機能低下といった異常がないかを確認でき、原因を絞り込むために役立ちます。

尿検査

尿に白血球や赤血球が混じっている場合、尿管結石や腎盂腎炎などの泌尿器疾患が疑われます。泌尿器疾患の炎症を起こしている細菌の有無や種類の確認も可能です。

X線検査

骨の状態、尿管結石・腸閉塞の有無など幅広い疾患の診断に役立つ検査です。また大動脈瘤の有無や破裂などが生じていないかを確認できる場合もあります。

超音波検査

血管系の循環器疾患、泌尿器疾患、膵臓や胆のうなどに生じる消化器疾患の診断に有効な検査です。外来で手軽にでき、心身への負担のない検査です。

CT検査・MRI検査

上記の検査で診断がつかない場合に行われます。

背部痛を起こす主な疾患

消化器疾患

背部痛を起こす主な消化器疾患には膵炎があります。他にも、十二指腸潰瘍、進行した食道がんや大腸がんなどでも背部痛を生じることがあります

膵炎(急性膵炎・慢性膵炎)

膵臓は胃の裏側にあり、飲酒や胆石が主な原因となって炎症を起こすと上腹部痛や背部痛を生じます。

急性膵炎

上腹部痛・背部痛の他、吐き気・嘔吐、発熱などを起こします。悪化してしまうと重症化して意識障害などを起こすこともあり、早急な受診が必要です。壊死や感染を起こすこともあります。

慢性膵炎

正常な細胞が壊れて線維化し、進行すると膵臓の機能が低下しますが、失われた機能を戻すことはできません。長く腹痛が続き、悪化すると腹痛が弱くなりますが糖尿病の発症や栄養障害を起こします。習慣的に飲酒されていて慢性的な腹痛・背部痛がある場合には、早めに消化器内科を受診してください。

循環器疾患

背部痛は、大動脈の血管壁が裂けてしまう大動脈解離、大動脈瘤破裂など、突然死の可能性があり、一刻を争う危険な血管の疾患によって生じることがあります。
激しい背中や胸の痛みを生じ、喀血などを起こすこともあります。いずれにしても、前触れなく激しい胸痛や背部痛が生じた場合には速やかに救急受診してください。
なお、大動脈瘤は破裂するまで無症状のことが多いのですが、声のかすれや飲み込みにくさといった食道に生じる疾患に似た症状を起こすことがあります。こうした症状に気付いたら早めに受診してください。

泌尿器疾患

激しい背部痛を起こす尿路結石(尿管結石症)、腰痛や発熱を伴う急性腎盂腎炎、尿管が詰まって生じる水腎症があります。
また、男性に最も多いがんとされている前立腺がんは進行して骨盤などに転移すると腰痛を起こすことがあります。前立腺がんはPSA検査による早期発見が可能ですので、定期的に受けることをお勧めしています。

整形外科疾患

ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、変形性腰椎症など、整形外科疾患には背部痛を生じる病気が多くなっています。
腰や背中の痛みがあると整形外科疾患を疑うことが多いと思いますが、消化器疾患、泌尿器疾患などで生じている場合、放置してしまうと深刻な状態になってしまいます。特に、安静時にも痛みがある場合は内臓系の病気がないかをまず確かめることが重要です。