胃痛を引き起こす疾患とは | 大田区の内視鏡クリニック3選

胃痛とは
早期の消化器内科受診が必要な胃痛症状
胃痛の原因
胃痛症状を起こす主な疾患
胃痛がある場合に行われる検査
胃痛の治療
繰り返す胃痛に注意を
苦痛なく内視鏡検査を受けるためのポイント11

胃痛とは

胃痛はみぞおち周辺に起こる痛みです。胃痛は食べ過ぎなどで生じることもありますが、胃炎・胃潰瘍・胃がんなど多くの消化器疾患でもよくある症状です。
激しい痛みや吐血するなどの場合は救急処置が必要になる場合もありますので速やかな受診が必要です。また、軽い痛みでも繰り返し起こる場合は深刻な疾患が隠れている可能性がありますので、早めに受診して原因を確かめましょう。

早期の消化器内科受診が必要な胃痛症状

下痢、吐き気・嘔吐などが伴う
胃もたれや胸焼け、酸っぱいげっぷを伴う
痛みがおさまらない
市販薬などでいったんおさまっても繰り返す
消化のよいものを少量しか食べられない

速やかな救急受診が必要な胃痛症状

胃痛が強く、冷や汗が出る
突然、今まで経験したことがないほど激しい痛みが起こった
大量の吐血を伴う
黒くて粘り気のあるタール便が大量に出た

胃痛で受診する際のチェックリスト

受診した際には医師が下記のような質問をしますので、事前にメモしておくと伝え忘れを防ぎ、スムーズに診察が進みます。

どんな痛みか(焼ける・さしこむ、締め付ける・脈打つ・しみる・圧迫される、チクチク・キリキリ・ズキズキするなど)
最初に胃痛が起きた時期や症状などの変化
痛みに強弱がある・ない
胃痛以外の症状(発熱、胃痛・胸痛、吐き気・嘔吐、下痢・便秘・胃もたれ・胸焼け・酸っぱいげっぷなど)
胃痛が起こる状況
痛みの原因の心当たり(食べたもの、冷え、感染症)
既往症や服用している薬
ピロリ菌感染の有無
ストレス・疲労・睡眠不足の有無
妊娠している、または妊娠の可能性の有無

胃痛の原因

飲み過ぎや食べ過ぎ、胃酸過多、ピロリ菌感染などによって胃粘膜が炎症や潰瘍を起こしている場合や、胃の機能低下、知覚過敏など、様々な原因で生じます。また、胃痛症状を起こす消化器疾患も多岐に渡ります。

食事の影響

食べ過ぎ・飲み過ぎ、過剰な脂肪・タンパク質・唐辛子など刺激の強い香辛料・アルコールの過剰摂取といった胃に負担がかかる食事によって炎症が起こって胃痛を生じます。

ストレス

消化管の機能をコントロールしている自律神経はストレスの影響を受けやすく、過度なストレスによって胃の拡張・収縮、蠕動運動、胃酸分泌などの機能不全を起こして胃痛を生じます。

ピロリ菌の感染

ピロリ菌は幼少期に経口感染するとされている細菌で、周囲の胃酸からの防御として強アルカリのアンモニアをつくって周囲を中和しています。
ピロリ菌がつくるこうした毒素が胃粘膜に慢性的な炎症を起こして胃炎をはじめとする様々な病気の原因となると考えられています。

ピロリ菌について

喫煙

胸焼けや吐き気などの症状を伴うことがあります。食べ過ぎや飲み過ぎ、感染性胃腸炎、薬の副作用などが主な原因です。急性胃炎では、さしこむようなキリキリとした痛みが生じることが多くなっています。

胃痛症状を起こす主な疾患

急性胃炎

慢性胃炎

ピロリ菌感染によって生じていることが多く、急性胃炎が慢性化して生じることもあります。
慢性胃炎が進行して胃粘膜が萎縮を起こすと胃がんリスクが上昇しますので、早めにしっかり治し、再発を防ぐことが重要です。

逆流性食道炎

胸焼けや酸っぱいげっぷ(呑酸)、みぞおち周辺の痛み、のどの違和感・不快感、咳などの症状を起こします。
生活習慣や食事内容、加齢などによって胃の内容物が食道に逆流して食道粘膜に炎症を起こしています。

逆流性食道炎について

胃潰瘍

炎症によって胃粘膜がえぐれるように深く傷付いて潰瘍を生じている状態です。
胃痛を食後に起こすことが多く、他に吐き気・嘔吐、胃もたれ、食欲不振、体重減少などの症状を起こします。
潰瘍が血管に及ぶと吐血、黒く粘り気のあるタール便、貧血などを起こすこともあります。
主な原因はピロリ菌感染や薬の副作用であり、飲酒や喫煙、ストレスなども発症や悪化、再発に関与します。

胃潰瘍について

十二指腸潰瘍

炎症によって十二指腸粘膜がえぐれるように深く傷付いて潰瘍を生じている状態です。
空腹時に胃痛を起こすことが多く、背中や腰の痛みを生じることもあります。
吐き気・嘔吐、胃もたれ、食欲不振、体重減少などの症状を起こし、潰瘍が血管を傷付けると吐血、黒く粘り気のあるタール便、貧血などを起こすこともあります。
胃潰瘍同様に、主な原因はピロリ菌感染や薬の副作用であり、飲酒や喫煙、ストレスなども関与します。

十二指腸潰瘍について

機能性ディスペプシア

胃の痛み、違和感、胃もたれ、吐き気、早期満腹感(少量で満腹になってしまう)などの症状を起こします。
炎症や潰瘍といった病変がなく、消化機能をコントロールする自律神経の乱れ、知覚過敏、ストレス、食事などによって生じていると考えられています。

機能性ディスペプシアについて

胃がん

早期の症状がほとんどなく、進行しても軽い胃痛程度の症状しか起こさないことがあり注意が必要です。
市販薬でおさまる場合も、繰り返す胃痛や不快感がある場合は早めに消化器内科を受診してください。
進行すると、胃痛、黒く粘り気のあるタール便、貧血、体重減少などの症状を起こします。
ピロリ菌感染症によって萎縮性胃炎まで進行してしまうと胃がん発症リスクが上がります。

胃がんについて

胃アニサキス症

海の魚介類に寄生しているアニサキスを生きたまま摂取することで感染する寄生虫です。
生や加熱が不十分な新鮮な魚介類を食べて数時間後に突然激しい胃痛や吐き気などを生じます。
アニサキスは人間を宿主とはできませんので1週間ほどで死滅します。胃カメラ検査でアニサキスを全て摘出することで症状は解消します。サバ、イカ、サケなど、身近な魚介類に寄生しています。

アニサキスについて

胃痛がある場合に行われる検査

胃痛やそれに伴う症状は多くの疾患に共通していますので、適切な検査を行って原因を確かめることが重要です。

胃カメラ検査

上部消化管(食道・胃・十二指腸)の粘膜を詳細に確認でき、出血している場合は止血処置もできます。
また、胃アニサキス症の場合には、内視鏡の先から鉗子を出してアニサキスの摘出が可能であり、全て取り去ることができれば痛みなどの症状が速やかにおさまります。
また、炎症・潰瘍・がんなどの組織採取ができ、採取した組織は病理検査を行うことで多くの疾患の確定診断が可能です。
また採取して組織を調べることでピロリ菌感染の有無を判断できます。
早期の胃がん発見と確定診断が唯一可能な検査であり、炎症など病変の程度や範囲を正確に把握できますので、多くの疾患の適切な治療にも大きく役立ちます。

大田区の
内視鏡検査クリニック一覧

腹部超音波検査

肝臓や膵臓、胆のうなど、胃カメラや大腸カメラといった内視鏡では確認できない消化器の状態を調べることができる検査です。

血液検査

炎症や貧血の有無を調べることができます。

胃痛の治療

薬物療法

胃炎や胃潰瘍の場合には、状態に合わせて胃酸分泌抑制薬、胃酸を中和する薬、消化器の機能を改善する薬、粘膜を保護する薬などを処方します。
薬の副作用として胃炎や胃潰瘍などを生じている場合には処方の変更も検討します。
ピロリ菌感染陽性の場合には、治療で粘膜の状態を改善してから除菌治療を行います。

生活習慣指導

食事や嗜好品などを見直して胃に大きな負担がかからないようにします。規則正しい生活、十分な睡眠と休息、ストレスの解消、軽い運動の習慣化など、無理なく続けられる生活習慣の改善に取り組みましょう。

繰り返す胃痛に注意を

食べ過ぎなど日常的な原因で起こることもよくある胃痛ですが、胃がんなどの深刻な病気の症状として生じる場合もあります。
また、ピロリ菌感染症で慢性胃炎を生じている場合、進行して萎縮性胃炎になると胃がん発症リスクが上がってしまいます。
ピロリ菌の除菌治療に成功することで胃炎や胃潰瘍の再発率を大幅に低下できますので、軽い不快感程度の胃痛の場合でも、繰り返し起こる場合には早めに消化器内科を受診して原因を確かめましょう。