腹痛

逆流性食道炎

みぞおち周辺の痛み、胸焼けといった症状がある場合に疑われます。

逆流性食道炎について

急性膵炎

膵臓に生じる急性の炎症で、放置してしまうと危険です。膵臓は胃の裏側にありますので、上腹部や背中の痛みを生じます。

胃・十二指腸潰瘍

粘膜が深く傷付いて一部が欠損してる状態です。みぞおち周辺の痛みが主な症状で、食後に痛みが起こる場合は胃潰瘍の可能性が高く、空腹時に痛みが生じる場合は十二指腸潰瘍が疑われます。
潰瘍によって血管が傷付くと出血し、吐血や黒く粘り気のあるタール便を生じることもあります。

十二指腸潰瘍について

胃アニサキス症

新鮮な魚介類を生で食べて数時間後に激しい腹痛が生じた場合、胃アニサキス症が疑われます。
アニサキスは食卓に上ることが多いサバ、サンマ、イカなど様々な海の魚介類に寄生する寄生虫です。人間を宿主にはできないので1週間程度で死滅しますが、その間、強い痛みが続きます。胃カメラ検査で全て摘出できれば症状は速やかに解消します。

アニサキスについて

急性虫垂炎(盲腸)

細長い虫垂に炎症が起こっている状態で、みぞおちの痛みが最初に起こり、痛みが徐々に右下腹部に移動していくという症状を起こすことが多くなっています。
炎症が悪化すると腹膜炎を合併し、高熱などの症状を起こします。

尿路結石

尿に含まれるカルシウム・シュウ酸・尿酸などが固まって石になったものです。腎臓から細い尿管に結石が落ちてきて詰まってしまう尿管結石では、わき腹や背中、腰に激しい痛みを起こします。吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

感染性胃腸炎

細菌やウイルスなどの病原体に感染して生じる胃腸炎で、腹痛、下痢、吐き気・嘔吐、発熱などを起こします。ノロウイルス、ロタウイルスによるものが多くなっています。

食あたり(細菌性大腸炎)

サルモネラ属菌やO157(病原性大腸菌)、赤痢菌などの細菌に汚染された食品によって感染し、腸に炎症を起こします。主な症状には、腹痛、下痢、血便、発熱、吐き気・嘔吐などがあります。

過敏性腸症候群

腹痛や腹部不快感、下痢や便秘といった便通異常などの症状が慢性的に続く疾患です。

過敏性腸症候群について

潰瘍性大腸炎・クローン病

炎症性腸疾患で、初期症状として腹痛、下痢、血便を生じます。症状のある時期とない時期を繰り返しながら悪化します。どちらも難病指定されていますが、適切な治療を継続することで良好な状態を長く保つことも可能です。症状や経過が似た病気ですが、潰瘍性大腸炎とクローン病は異なる病気であり、適切な治療のためには正確な鑑別が必要です。

膀胱炎

腎臓でつくられた尿を一時的にためておくのが膀胱です。膀胱炎は細菌感染などによって膀胱の粘膜が炎症を起こしている状態で、頻尿、いきなり我慢できないような強い尿意が起こる尿意切迫感、排尿の最後に起こる染みるような痛みなど特徴的な症状があり、下腹部痛を起こすこともよくあります。

腸閉塞

腸管の内容物が停滞している状態で、腹痛や腹部膨満感、吐き気等の症状を起こします。腸管の狭窄や閉塞などによって生じ、危険な状態ですので早急な受診が必要です。

虚血性大腸炎

腸管に血液を送る血管の狭窄や閉塞で血流が悪化して、腸粘膜に炎症を起こす病気です。腹痛、下痢、血便が主な症状で、突然激しい腹痛を起こすこともあります。
一過性のケースが多いのですが、腸閉塞を起こすことがあり、経過を慎重に観察することが重要です。

虚血性腸炎について