虚血性腸炎の原因と症状 | 大田区の内視鏡クリニック3選

虚血性腸炎とは
虚血性腸炎の症状
虚血性腸炎の原因
虚血性腸炎の検査・治療
虚血性腸炎の再発予防
苦痛なく内視鏡検査を受けるためのポイント11

虚血性腸炎とは

腸管に酸素と栄養を送る血管が閉塞して大腸の一部に血液が届かなくなり、大腸粘膜に炎症を起こしてただれや潰瘍などが生じる病気です。一時的に閉塞を起こしていることが多く、その場合にはほとんどが安静を保つことで回復できます。ただし、重症化して腸閉塞などを起こすこともありますので注意が必要です。左腹部から下腹部にかけて強い痛みを生じ、鮮血が混じった血便を生じるという症状を起こすことが多くなっています。

虚血性腸炎の症状

突然起こる強い腹痛
下痢
血便

左腹部から下腹部にかけての強い痛みを生じて、下痢や鮮血が混じる血便を起こすのが典型的な症状です。虚血によって大腸粘膜がダメージを受け、粘膜が剥がれて出血を起こし、血便を生じます。冷や汗、吐き気・嘔吐などを伴うこともあります。

虚血性腸炎の原因

血流不足による虚血が原因で生じますので、生活習慣病や加齢による動脈硬化が最大のリスク要因になります。
高血圧、脂質異常症、糖尿病などがあると動脈硬化が進行しやすいため注意が必要です。また、腸の血管が動脈硬化を起こしているということは、全身の血管でも動脈硬化が進行しているということです。
突然の心筋梗塞や脳卒中を起こさないためにも、虚血性腸炎の治療に加え、生活習慣病や動脈硬化の適切な治療も不可欠です。
また、便秘で特定の場所が絶えず圧迫を受けていると腸管壁が引き伸ばされてその場所にある血管の血流が阻害され、虚血性腸炎を発症することがあります。ストレスや食生活を含めた生活習慣もリスク要因となります。

虚血性腸炎と腸閉塞

虚血性腸炎の潰瘍が大腸壁の深くまで及んで、状態が改善しないと大腸が狭窄して内容物の通過障害を起こし、腸閉塞を生じることがあります。強い症状が改善しない、何度も繰り返し生じる場合は、腸閉塞を起こしている可能性があり、手術が必要になるケースもあります。

虚血性腸炎の検査・治療

血液検査を行って炎症の程度や貧血の有無を確かめ、大腸カメラ検査で粘膜の状態、炎症の範囲や程度を把握します。

治療

一過性の虚血によって生じていることが多く、その場合には絶食によって腸管の安静を保つことでほとんどは回復します。
脱水を防ぐための補液点滴が必要ですので、入院加療となります。経過を観察し、消化のよいものから少しずつ普通の食事に戻していき、目安として1～2週間で回復します。
細菌感染の可能性がある場合には抗生物質による治療を行うこともあります。

また、再発防止のために、動脈硬化やその原因となっている高血圧・脂質異常症・糖尿病などの適切な治療も重要になります。
動脈硬化が全身の血管でも進行していると考えられますので、こうした治療を行うことで心筋梗塞や脳卒中の予防にも役立ちます。こうした病気の治療や予防には生活習慣の改善も不可欠です。主治医と相談して無理なくできる範囲から生活習慣を改善していきましょう。

虚血性腸炎の再発予防

回復後の食事

数日絶食しますので、最初は少量の白粥など消化器への負担が少ない食事からはじめ、徐々に普段の食事に戻していってください。水分が不足しないよう吸収しやすい経口補水液やスポーツドリンクで適度な水分補給を心がけます。食物繊維が多い食事は負担が大きいので、十分に回復するまでは控えるようにしましょう。

予防のための食事

虚血性腸炎は、便秘がきっかけとなって生じることが多く、食事療法や運動療法で便秘を解消することは再発予防に有効です。食物繊維と水分をしっかりとって、適度な運動を習慣化し、腸の機能を正常に導きましょう。

食物繊維について

食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維があります。
水溶性食物繊維は水を含むとゲル状になり便秘解消に役立ちます。また、水溶性食物繊維は腸内にいる善玉菌のエサであり、善玉菌を増やして腸内環境を整える効果も期待できます。
不溶性食物繊維は水分や老廃物を吸着して便として排出させる役割を持っています。不溶性食物繊維の多い食事をすることで便の量が増え、蠕動運動が活発になって便秘解消に役立ちます。
ただし、食物繊維の過剰摂取によって逆に便秘になることがありますので注意が必要です。